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文生書院の本

復刻版政治・法律・経済・社会

明治24-29年 大審院判決録


明治24-29年 大審院判決録 【復刻版】

復司法省・大審院蔵版
全17冊  A5版   製本済

¥319,000(¥290,000 税別)

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広く江湖に推薦する
慶鷹大学名誉教授 手塚豊

太平洋戦争勃発の頃、司法省の屋根裏には三つの倉庫があった。第一室は、大審院創設以来の判決原本を収納した部屋、第二室は江戸奉行所よりの引継書類だけを保管した部屋、第三室は調査部図書室(現在の法務図書館)に移管されない明治以降の記録を集めた部屋であった。同省非常勤嘱託をしていた私は、第三室には史料探しに何度か出入したが、他の二室は、係員の好意で、その中を一瞥しただけである。しかし、整然と書架に併立していた判決原本の簿冊、渋紙に梱包されたまま山積みされていた奉行所書類の模様は、いまも私の脳裏に焼きついている。
戦争がはげしさを増した頃、判決原本だけは、大審院の地下の物置に移された。これは寔に時宜を得た措置であった。というのは、昭和二十年三月十日の空襲で、司法省の建物は全焼、奉行所の書類も、明治以降の記録も全く烏有に帰したが、判決原本だけは、火災当日、事務室あるいは判事個室に貸出中のものを除き、危く戦災を免かれたからである。
法律実務の遂行あるいは法律学の研究において、大審院判例のもつ価値は余りにも大きい。現在、大審院判決を、必要とあらばその原本について閲覧できることは、寔に幸運といわざるをえないのである。
しかし、大審院判決を参照する際、通常の場合は、司法省あるいはその他の機関において発行された活字本をみることにより、ある程度までその目的は達成できる。大審院判決の大半は、その中に収められているからである。
ところが、刊本の判決録も、明治前半期のものは、現在では非常な稀観本になり、容易に入手出来ず、大学図書館などにおいても、十分に揃っているところはすくない。先年、明治憲法施行前の民事判決録だけが覆刻され、その事業が賞讃されたことがある。
今般、文生書院が企画した覆刻は、明治憲法施行直後、わが法曹界の水準が異常な速度で欧米先進国に近づかんとしていた頃、すなわち明治二十四年から二十九年に亘る期間の民事、刑事の判決録(博文社あるいは東京法学院刊行)と、明治二十八年後半から二十九年にかけて、東京法学院から発行された「別冊」を網羅したものである。この時代の大審院判例の格別の重要性もさることながら、とくにこの「別冊」は、現在までほとんどその存在すら知られていなかったものであり、それが覆刻される意義はきわめて大きい。
この覆刻が、わが法曹界に大きな福音をもたらすことを、私は信じて疑わない。本書を広く江湖に推薦する所以である。

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復刻にあたって
東京大学名誉教授 平野龍一

「大審院判決録」は、明治二八年分の後半から第一輯相当として復刻されているものは、広く利用されている。 しかし、それ以前のものがどうなっているのか、あまり知られていない。大審院の創設されたのは、明治八年で あるから何らかの形で判決は公表されているであろう。しかし今、これを手にとって見ることはむずかしい。
このたび文生書院は、明治二四年から二九年の判決を整理して、復刻公刊することになった。この時期は、明治憲法施行後まもない時期で、裁判所構成法による司法制度上の変革期でもあり、判決も大部の別冊が発行されていたことがわかったが、この別冊は、判決要旨がなく、判決分だけを収録した明治二八年二月判決分から二九 年十月判決分までのごく限られた時期であるが五千頁にのぼっている。
文生書院では、これらの判決録を体系的に整理し、「別冊」確認分を含めて復刻をしようとのことである。もとより、現在からみると「判例」としての意味よりも、わが国の司法の歴史を知る上に、学界、法曹界にとって益するところがより大きいと思われる。
文生書院の企画と苦労に対して、学界、法曹界の人々とともに、深く感謝の意を表したい。 

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「大審院判決録」の流れについて

1) 明治8年7月司法省蔵版になる大審院判決録は、明治19・20年頃まで「民事」「刑事」に分かれた活版を見受けることができる。このうち「民事」についての覆刻がなされた(昭和32年)が、刑事については、(平成元年六月文生書院で復刻)までは、見受けられなかった。このあと明治21~23年については、判決・判例の空白期とも云われ、整備はされていないようで、その時期を代替するものとして、増島編「裁判粋誌」等が掲げられる。

2) 明治24年1月から9月まで司法省蔵版、このあと大審院蔵版として明治28年6月まで博文社、八尾商店と発行所を変更しながら発行。はじめ民・刑分離構成で始まり、のち(明治24年4月)に、民・刑を分たず判決日付順に輯録B6判、明治26年3月より、民刑に分離、A5判となり、明治27年10月分まで博文社、そのあと明治28年6月まで八尾商店発行。大審院の審の表示が二通りあるのもこの時期の特徴であろう。

3) 明治28年7月から東京法学院(中央大学の前身)編集発行で、大正10年12月第27輯(一年一輯として)まで刊行、これらについては、「民事」「刑事」としての縮刷版(昭和41・44年)覆刻が見られる。また、この時期の初期(明治28年9月判決分から、明治29年10月判決分まで)の本冊に附随した「別冊」十三冊約五千頁が発行されている。しかし、完全保存されているケースは少く、ほとんど知られていない。そこで、学界、法曹界の利用に供するため今回先に掲げた(2)とともに「別冊」をはじめて覆刻し、世に送り出すはこびとなった。これを機会にこの「別冊」の発行事情が明らかになることを期待したい。

4) 大正11年1月より「大審院民事・刑事判例集(第1巻より第6巻)があり、戦後法曹会で覆刻されている。

5) 戦後の「最高裁判所判例集」に続く。

尚、具体的に関心をお持ちの方は、最高裁『書記官研修所所報(第18号)「判例集について」(小野孝正氏)』及び中央大学『白門(一九八三・一二)』に沼正也教授の論文が参考とならう。

(昭和60·10·15)(補·平成元·5·30)

復刻対象 合本一覧
 

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【関連資料 ご案内】


裁判粋誌
(大審院裁判) 増嶋六一郎 編集
全十五巻 (明治11年-28年) A5版 製本済
¥327,800(¥298,000 税別)

推薦文掲載。
空白を埋める「大審院判決録」 東京大学教授 利谷信義
https://www.bunsei.co.jp/original/reprint/saibansuisi/


行政裁判所判決録
【復刻版】 年史 総目録共 全91冊(1~58輯 明23~昭22)平元~平5
A5版 明治期 全32冊 ・ 大正期 全31冊 ・ 昭和期 全24冊 ・ 年史 1冊 ・ 総目録 3冊
¥2,112,000 (¥1,920,000 税別)

推薦文掲載。
行政主導の「日本の近代化」を伝える基礎資料
東京大学教授 奧平康弘
https://www.bunsei.co.jp/original/reprint/gyousei-hanketuroku/


行政裁判所判決録 訴名・事件・総目録
小森恵 編
明治・大正・昭和編 A5版 3冊
¥49,500(¥45,000 税別)

昭和22年「行政裁判所判例集」として継続された『行政裁判所判決録』。本文7万頁余の膨大な資料をコンパクトにし、訴名、事件を旧番と復刻版に合わせて再編集。総目録を併載。


行政裁判所五十年史
行政裁判所編 A5版 1冊
¥18,150(¥16,500 税別)

行政裁判所が創設された明治23年から50年のちの昭和15年に刊行された。内容は、行政裁判法定の由来、行政裁判所の業績、行政裁判制度の改定案及び改定意見。


思想月報【復刻版】
司法省刑事局 昭和9-19年 A5版・上製本・全66冊 (Nos.1-109)
¥726,000(¥660,000税別)

戦中・戦後の治安維持法下、司法省刑事局によって刊行された思想検察行政の記録。社会労働運動、文化・思想・宗教団体の動向と運動、言論、出版等の調査資料が集められている。


治安維持法検挙者の記録
小森恵著 西田義信編 720頁・菊版
ISBN 978-4-98253-601-4
¥13,200(¥12,000 税別)

『特高月報』、『思想月報』、『治安維持法弾圧犠牲者名簿』(1)日本赤色救援会編、『茨城県共産主義運動史』を基本とし、『現代史資料』、『日本政治裁判史録』、『思想統制史資料』、『思想彙報』『大審院判例集』「法律新聞」などにある予審終結決定書、裁判判決文の内容等を加えた2000冊近い書籍から、検挙された人名、検挙、裁判、判決の日時、判決内容、検挙の事由、検挙者のプロフィール等を抽出、そのすべてに原典とその出典ページを明記した。
https://www.bunsei.co.jp/original/new-publication/tianiji/



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