本書の原版は「万歴三十一年(1602)江西巡撫夏良心等江西巡撫署刊本」、
俗に江西本「本草綱目」と称されているものです。
「本草綱目」の中国原刊本は、万歴24年(1596)に金陵胡承龍刊本として刊行され、俗に金陵本と称されています。僅か11年後の慶長12年(1607)に林道春が長崎で入手し、江戸の紅葉山文庫に収蔵されました。その後、多くの学者により数種に及ぶ中国刊本からの和刻本が出版されましたが、3系統14種類の刊本が刊行されたと伺っております。本書は寛永14年に野田弥次右衛門により刊行された和刻本です。
最終冊(36)に「寛永十四年丁丑年初春吉日 魚屋町通信濃町野田弥次右衛門開板」の文字があります。
全52巻および附巻が6帙(各帙6冊)に分けられ、36冊に収められています。
表紙には、「江西 本草綱目」の題簽が貼られています。
本セットでは、数冊に「江西 本草綱目」の文字が残っている題簽が残っておりますが、その他の巻の題簽は、「本草綱目」のみが残っているもの、擦り切れているもの、書き直して貼付したものなどがあります。
各冊の、最初の頁の右下に、「真常院」の朱印(1.2×3.3cm)が捺印されています。各冊の表紙・裏表紙と近い頁に虫損が見られますが、本文への影響は無く、全体として非常に保存の良好なセットです。 |
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