往来と名乗る教科書が生まれたのは十一世紀の後半、平安時代の後期でした。往来
という教科書は、わが国民の日常生活に必要な文字と事柄、知識を教えるねらいで
編纂したもので、必ずしも漢字・漢文を学習する訳ではありませんでした。本書は
往来という言葉が登場した平安時代末期から明治時代初頭まで、初等教育がたどっ
た発達の足跡を見ることができます。本文15巻は古往来、教訓、社会、語彙、消
息、地理、歴史、産業、理数、女子用が収録しています。別巻2冊には往来物系譜
があります。
日本教科書大系往来編 講談社
全17巻 昭53
函スレ ヤケ 少シミ