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文生書院の本

復刻版

報徳会三十五年史

宗近 實平 原本編集  奥泉 栄三郎 監修・解説
報徳會三十五年史
The History of the Repaying Virtue Socuety,1901-1935

定価 \30,000円 + 消費税


復刻版 報徳会三十五年史 – 解題・解説付
A5版 1,250頁 クロス装上製本 クリーム上質中性紙使用
ISBN4-89253-155-3


「報徳会三十五年史」復刻に寄せて

梅森 直之
(早稲田大学教授・シカゴ大学訪問教授・日本思想史)

本書『報徳会三十五年史』は、主唱者花田仲之助の生涯を経(たていと)に、教化団体「報徳会」の発展を緯(よこいと)に、明治から昭和一〇年までの秘められた多くの歴史を明るみに出す。

花田仲之助は、一八九〇年鹿児島に生まれ、西南戦争に従軍したのち、陸軍士官学校を卒業し、職業軍人の道を選んだ。その花田が郷里に帰郷したのち、当地にて一九〇一年に設立した教化団体が、報徳会である。報徳を団体名に掲げた教化組織としては、大日本報徳社や中央報徳会が広く知られているが、本書の主題となっている報徳会は、研究史上の「幻的存在」であった。しかし、大日本報徳社系の結社や中央報徳会の主導的なイデオロギーが尊徳主義であるのに対し、報徳会は、それを「教育勅語」に求めていた点、前者の上層幹部の人的構成が、いわば中央の名士によって占められていたのに対し、報徳会は、地方ゆかりの人物を起用していた点など、両者の間には、明確な差異も見られる。報徳会は、大日本報徳社系の結社や中央報徳会とは独立に、時には協力し、またある場合には競い合いながら、植民地を含めた全国的ネットワークへと発展し、日本社会の「教化」を押し進めた。その意味で本書は、もうひとつの「報徳運動」の存在とその歴史ならびに意義を明るみにだすものである。

本書には、社会教化という主題以外にも、興味の尽きない話題が多い、軍事史の専門家は、陸軍歩兵中佐花田のシベリアにおける諜報活動に興味を引かれるであろう。社会主義に関心をもつ研究者は、「大逆事件」に連座した受刑者を教戒した花田の回想のなかに、知られざる情報を見いだすであろう。植民地の研究者にとっては、報徳会の満州におけるネットワークの形成が、重要なテーマとなりえよう。また、地方史を学ぶものも、全国の報徳会の概況を収録した本書から、有益な情報を得ることができよう。

復刻版の編者奥泉栄三郎の手になる新序文・解説・解題は、貴重な書誌的情報を含む。本書が社会教化の思想的・組織的・実践的研究に対する重要な貢献となることを信じ、また多くの研究者によって、多様な分野において活用されることを期待する。


沖田 行司
(同志社大学教授・文学博士・日本思想史学会評議員・同志社大学国際センター所長)

このたび『報徳会三十五年史』が復刻された。本書は日本の国民道徳運動の展開を知る上でも、貴重な文献史料となるであろう。
とりわけ、日本の近代産業社会が形成される過程において、農村の疲弊と都市における労働問題などは、社会的アノミー状況を作り出した。こうした状況下で、花田仲之助が提唱した「報徳会」は、新しい、教化運動と位置づけることが出来る。本書の出版は、道徳運動史、政治史、経済史、社会史、教育史など多くの分野の研究に貢献するであろう。
本書の復刻に奔走され、復刻にあたって新序文と解脱ならびに解題を執筆された奥泉栄三郎氏はライブラリアンとしての優れた見識に加え、研究者としての資質を併せ持った人物である。本書の復刻という大事業は彼ならではの仕事と深く敬意を表するしだいである。


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