明治以後の初等学校教科書は、明治5(1872)年に学制発布後全国に設けられた小学
校の教科書として発達したものです。明治初期の小学校は、欧米の近代学校になら
い、近代教育を行う機関として設けられたので、そこで用いられた教科書は、欧米
の近代文化を内容とし、あるいはその風俗生活等を紹介したいわゆる文明開化の教
科書で、大体明治十年代になってから独自の教科書が著作されました。
本大系の近代篇で取り扱う教科書は、明治の初めから第二次世界大戦後検定教科書
制度が実施されるまでの間に初等教育機関で使用された教科書です。その中から特
に重要と思われるものを各教科別に選んで原典を復刻し、その他のものは総合目録
に収めています。また、重要な意味をもった教科書は説明が付いています。
日本教科書大系 近代篇全27巻
講談社 昭37~昭42
函 少焼け 少シミ