徳田秋聲は明治・大正・昭和の三代、十九世紀末から二十世紀にかけて、小説文壇の中心に
位置しましたが、同時代の作家たちが陥った西欧の小説の模倣や追随に与せず、知識人の苦悩
よりも市井に浮きつ沈みつする男女の姿を、日々の暮らしに深く根差した目と感性でもって、
描きつづけました。
過去の全集(秋聲全集 全15巻非凡閣1936-1937、全13巻雪華社1961-1965、全18巻臨川書店1974-1975、徳田秋聲選集 乾元社)に未収録の作品の他に随筆・評論、翻訳、俳句、年少者向
け作品、長篇小説、日記・書簡など416点が全43冊に集成された本格的な徳田秋聲全集です。 |