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出版物のなかでも聖書等のキリスト教関連の書籍は、16世紀初めから徐々に、大量に発行される対象になってきました。当時のオランダ、特にアントワープ で発行された聖書の普及には、その中の挿絵が大きな役割を担っていました。それら木版の挿絵は数回、あるいは何回も繰り返し異なる版で使われ、特に仕上が りのよかったものは繰り返し使われ、複製も行われました｡
アムステルダム自由大学のB.A. Rosier博士による長年の緻密な研究の成果をここにご 紹介いたします。16世紀オランダの聖書挿絵に関する、広範囲に亘る研究論文です。当時の木版挿絵の完璧な参考資料となる、挿絵付き聖書の各版のチェック リストもついています。木版挿絵の利用、再利用、複製の複製といった複雑な経歴を鮮やかに解きほぐしていき、それによって当時の木版挿絵がいかに発展して いったかを知ることができます。研究論文と時系列のチェックリストを２巻本として刊行いたします。
第1巻は研究論文と時系列で記された聖書の各版のチェックリストです。研究論文ではテクスト、図像、その絵に残る言い伝えのそれぞれの関係といった全体に係わる事柄が取り上げられていますが、黙示録の挿絵など特別な資料に関しては別に章が設けられています。
第2巻には、注釈、索引、書誌、そして529枚の挿絵が収録されています。索引には広範囲に亘る図像学のための索引（ICONCLASS用語索引も含む）や挿絵の題材になった聖書の一節の索引、アルファベット順の索引といったものがあります。
この分野の研究書としては必携の書となるに違いありません。芸術史・神学の各研究所・学部図書館におかれましては、是非ともお需め下さい。Foleor社が自信を持ってお勧めいたします。