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BUNSEI SHOIN CO.,LTD

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USCSSに含まれる外国資料

U.S. Congressional Serial Set (米国議会シリアル・セット) に含まれる外国資料

August A. Imholtz, Jr.

USCSS1U.S. Congressional Serial Set (米国議会シリアル・セット、以下シリアル・セット)に含まれる外国資料、より正確には非米国系資料の量に関して、米国がこの2世紀あまりの間に孤立主義から脱却してより積極外交へと路線を変化させていく中で、外国資料数も比例して増加していると思われがちです。

確かにそのような解釈にも一理ありますが、実際の状況はさらに複雑なものです。また、外国資料の割合を数字で割り出すのも簡単ではないので、全体的な数量については本稿の後半(第2部)まで置いておくとして、まず始めに外国資料の形式的、また具体的分類について例を交えて説明し(第1部)、最後にシリアル・セットより先駆けて存在したAmeircan State Papers (米国州政府文書)について簡単にご紹介したいと思います(第3部)。

第1部 シリアル・セットに含まれる外国に関する資料の分類

収録資料の主な分類(ここで「分類」という表現は、準形式的な書誌目録上の意味(特に下記A~Cにおいて)と主題・内容における意味で使用しています)は次の通りです:

A) 米国・国務省【外交関連文書】 Foreign Relations of the United States

Foreign Relations of the United States (略してFRUS)は、シリアル・セットで公開されてきている国務省の年次出版物でもあり、また同一の部門版にも存在している。このシリーズについては、下記の付録Iでも詳述されている。

B) 領事報告書

世界各国に駐在した米国領事による赴任先の経済、科学、その他諸事情に関する一連の叙述的報告書で、各巻とも何百点もの短いレポートで構成されている。シリアル・セットの中で、本報告書は1882年~1903年まで国務省、それ以降は通商局のコレクションに含まれている。大した例ではないが、例えば雹(ひょう)の嵐を撃退するために仏ワイン商人がブドウ園で大砲を使用することに関するの考察がある。[例:H.Doc. 710、第57議会、第1会期、付録II参照のこと]

C) 米国の交易・航海USCSS2

主に統計からなるもので、シリアル・セットの中でも大部かつ重要なシリーズ。1855年から1965年まで網羅している。

D) 関税

シリアル・セットには、収録開始年から数えて関税に関する出版物が6千点以上収録されている。

E) 条約

シリアル・セットには、収録開始年から数えて条約に関する出版物が8千点以上収録されている。

F) 調査探検

USCSS3シリアル・セットには、収録開始年から数えて調査探検に関する出版物が9百点以上収録されているが、その大部分が北米大陸、さらに厳密には現在の合衆国地域に関わるものである。ペリー提督の日本遠征(本報告書は複数部から成り、上院・下院版で発行。H.Exec.Doc. 97とS.Exec.Doc.79、共に第33議会、第2会期)やウィリアム・ルイス・ハーンドンによるアマゾン探検(H.Exec.Doc.43とS.Exec.Doc.36、共に第32議会、第2会期)などは良く知られているが、知名度の低い報告書としては19世紀の海軍将校ウィリアム・リンチ大尉による死海に関する報告書(S.Exec.Doc. 34、第49議会、第2会期)やエモリー・トーント大尉のコンゴ報告書(S.Exec.Doc.77、第49議会、第2会期)などがある。

G) その他

USCSS4何千とまでいかないにしても、海外情勢の問題を扱った資料は数多く存在している。例として、

1) リチャード・デラフィールド少佐によるクリミア戦争に関する報告書(S.Exec.Doc.59、第36議会、第1会期)は、現在の専門用語でいうところの軍事監視要人による機密情報報告書である

2)欧州とインドにおけるコレラ報告(S.Misc.Doc. 92、第49議会、第2会期)

3)1991年10月22日、モンゴル人民共和国に対する無差別待遇(最恵国待遇)の延長(H.Rpt.263、第102議会、第1会期)

H) 戦争

二つの世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、1983年のグレナダ侵攻、1991年のイラクによるクウェート侵攻に至るまで、米国が関与した戦争関連資料約5千点。

I) 地図

シリアル・セットには72,000以上の地図が存在し、その多くが外国や海外領地の地図である。非米国系地図の正確な数をすばやく簡単に割り出す方法はないが、地図の件名を国名(名詞)で検索してみると次のような数がヒットする。

USCSS5英国            511
中国            537
日本            257
インド           154
ロシア          150
ベトナム       146
ソビエト連邦    73
コンゴ            18
インドネシア    14
アルバニア       8

 

第2部 外国資料数の目安

かなり大雑把な目安ではありますが、上記の地図数とその他(国)の地図の数を除外し(通常、地図は文献の“中”に存在するものでありその逆はありえないため)上述の資料分類から割り出してみると、外国を取り扱った資料は(内容の綿密さはそれぞれ異なれど)約19,000点存在することになります。これはシリアル・セットに含まれる出版物全体の約5%に相当するものです。

 

第3部 American State Papers (米国州政府文書)

コレクション全体に関する簡単な概説:

American State Papers(米国州政府文書、略してASP)は、1789~1838年の間に出版された番号が付与された文献6,279点を遡及的に再出版したもので、約3分の一は最初の14議会(1789~1817年)を収録し、残り三分の二は年代順に1817~1838年までシリアル・セットと重複している。ASPは1832~1861年に出版されている。

ASPに含まれる資料は、10のシリーズまたは分類において発行され、全体で38巻(二つ折り書物)で構成されている。シリーズの量は、郵政省の一巻ものや公有地に関する8巻ものまで様々である。各シリーズとも出版物は時系列に整理されている。ジャーナルは一切存在せず、またシリアル・セットに含まれる文献のように報告書と記録文書に分離されてはいない。

最初の分類は外交関係のもので、全6巻、512点の文献から成る。これらの文献は、再出版または初版のものである。

ASPは目録上はシリアル・セットから独立しているものの、政府印刷局はASPの38巻にシリアル・セット巻数との関係性を示すために通し番号のようなもの(01-038)を付与している。1817年12月に番号1からスタートしている。

 

付録I

Foreign Relations of the United States(米国・国務省【外交関連文書】): FRUSという呼称で親しまれるコレクションにはStatistical Abstracts of the United Statesのような単純な歴史は存在しません。FRUSは、州務長官による事実上(歴史的に州務長官は公的な年次報告は求められない唯一の閣僚であるため)の年次報告書であります。

集合的にFRUSと呼ばれる資料の出版史概要:USCSS6

1817-1869年: 別の公文書として刊行された1830年、1835年、1841年、1860年を除き、文献は“大統領の年頭演説に付随する資料”の一部として出版された。1861年以降は、議会シリアル・セット(Congressional Serial Set)版とは若干違いがありながらも国務省刊行物としても出版されている。

1870-1931年: 「FRUSに関連する文書」(Papers relating to the Foreign Relations of the United States)というタイトルの下で出版され、大統領の年頭演説と共に議会に送られた。

1932年-現在: 「FRUS: Diplomatic Papers」というタイトルで出版されている。ここ10年ほど(若干前後する可能性があるが)は国務省刊行物として出版されており、もはやシリアル・セットには出てくることはない。

1817年から1870年にかけてのタイトルにおいては、FRUS(もっと厳密にいえばFRUS直系の前身)とは文献の一部分のみを指して言及するもので、このことからも「外交」文書は長年大統領演説に伴う文書の一部であったと指摘できないわけではありません。

7~8年ほど前に、ここワシントンではFRUSの出版物のひとつであるDiplomatic Papersが国立古文書館の閲覧室から撤去されたことがちょっとした物議を醸しました。というのも、すでに全国1000ヵ所以上の寄託図書館にコピーが行き届いているにも関わらず、撤去した理由がセキュリティ上の問題というものだったからです。

(文生書院ではForeign Relations of the United States 米国・国務省【外交関連文書】1861年-1964/68年 オリジナル版[既刊分完全揃]も在庫しています。詳しくはこちらのページをご覧下さい。)

付録II

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