「方志」というのは、各行政区域における自然、政治、経済、文化及び社会の歴史と現状を全面的・システム的に記述した「地方誌」です。故にそれらは地方の百科全書とも称されます。
「新方志」とは1949年中国が成立して初めて編簒・刊行された「地方誌」を指します。「旧方志」とは1949年以前の宋・元・明・清・民国ほかの時代の「地方誌」を指します。
旧方志の起源は2000年前にも遡ると言われています。分量では1949年以前に刊行された全文献の10分の1を占めるまでの膨大な資料群となります。刊行が活発になるのは宋代で、科挙で登用された官僚が地方志編纂に関わりました。明清期には全国的かつ膨大な数へと展開します。民国期は政治的混乱などがあったものの断続的に刊行が続きました。
1949年以降に刊行された新方志は、事実的な重要資料の一種として、当該区域における地形、風習文化、政治経済、歴史沿革など全面的な情況を理解するのに役立ちます。現在、中国におけるあらゆる縣、直轄市、自治区及びその自治区にある市、県レベルの行政単位には、地方誌の編集室が設けられています。
不完全なものも含めると、既に印刷・出版された各級各種の地方誌は約50,000種あります。そのうち、省(自治区と直轄市を含む)、市、縣、新疆生産建設兵団(中国人民共和国西部新疆ウイグル自治区で開墾と辺境防衛を行う凖軍事的政府組織)も含まれる3級地方誌(○省誌、○市誌、○縣誌という3つのレベルの地方誌)は6,000余り、區、郷、鎮、村及び都市、街道の地方誌はおよそ1,500種があります。専門誌、部門誌、場礦誌(工場と鉱蔵に関する誌)、企業誌、学校誌、地名誌と山川誌(山と川に関する誌)は43,000種余りあります。
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