大高檀紙見本帖(金唐紙) 印刷
   

大高檀紙見本帖

(金唐革紙)金エンボス、
72枚の金唐革紙見本帳 日本
19世紀後半、日本式綴本 15.5x26.5cm

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SOLD OUT  
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ヨーロッパの王侯貴族の城、館や僧院では、石造りの建物に吹きこむ冷たい風をよけるため、なめした子牛の革に金属箔を貼り、模様をプレスし、ニスを塗って金色をだした後に彩色したものを壁に掛けておりました。之が金唐革です。その技術はムーア人(北西アフリカのイスラム教教徒の呼称)の発明に機を発し、スペインでエンボス革の壁張りが作られるようになって、更に広まったとされています。コルドバが16世紀の中頃にこの工芸品の中心地であった為、この技術は「Cuir de Cordoue」(= "from Córdoba"),と名づけられました。17世紀に入ってこの技術はコルドバからオランダへ伝えられました。オランダは、その後長い間に渡ってこの技術の中心地となり、"goudleer" (= gold leather )の名称で、製品を他の欧州諸国、中国 そして日本に輸出していました。およそ17世紀の半ばであったと考えられています。(尚、一説にはイタリア経由とする徳力説もございます。)

徳川家の歴史を書いた『徳川実紀』に、寛文二年(1662年)3月、「蘭人入貢金唐革十枚」と記載されております。十枚とはいかにも少ないですが、それだけ貴重だったに違いありません。ヨーロッパに比べると、日本の皮革工芸は大幅におくれていました。いかにも異国的な、豪華な金唐革は珍重され、武士は刀の柄や馬具などに、富裕な商人は煙管入れをつくったり屏風仕立てにしました。輸入品が増えすぎて寛文八年(1668年)、ついに禁止令が出ます。贅沢な金唐革も「無用なもの」として指定されてしまいます。「金唐革御停止」です。それによって,極めて貴重かつ入手困難な品物と成りました。

そこで、和紙を素材とした代用品の製作が日本で行われた結果、1684年に伊勢で完成した製品が「金唐革紙」(「擬革紙(ぎかくし)」、Japanese leather paper) もしくは金唐紙(きんからかみ)の始まりであると言われております。又一説には江戸の奇人平賀源内が係わったという説もございます。

ほぼ2世紀後の明治時代になって日本ではこの金唐革工芸品の復活が到来しました。ヨーロッパの宮廷や城、教会の壁を飾っていた金唐革ですが、やがて建物などが改築される時期がきます。新しい壁布、壁紙に張り替えられるために剥がされた金唐革は、明治になって大量に日本にやってきました。帯刀を禁じられた武士たちは、これで煙管入れと煙草入れをつくって腰に差し、金唐革の煙管入れが爆発的に流行しました。「お軽の簪(かんざし)、金唐革の煙管入れ」という軽口言葉ができたくらいです。明治38年に「ホトトギス」に発表した漱石の『吾輩は猫である』に、「迷亭先生は金唐革の烟草入れから烟草をつまみ出す」と書いてあります。日本に入ってきた大量の”壁張り”金唐革は、たちまち細かく刻まれて大量の煙草入れになりました。

一方、金唐革紙は和紙に金属箔(金箔・銀箔・錫箔等)をはり、版木に当てて凹凸文様を打ち出し、彩色をほどこし、全てを手作りで製作する高級壁紙として使われました。金属箔の光沢と、華麗な色彩が建物の室内を豪華絢爛に彩る。明治時代には、大蔵省印刷局が中心となって製造・輸出され、ウィーン万国博覧会・パリ万国博覧会など各国の博覧会で好評となり、欧米の建築物(バッキンガム宮殿等)に使用されました。国内では、鹿鳴館等の明治の洋風建築に用いられましたが、その多くは現在消滅し、現存するのは数ヶ所だけという貴重な文化財になっている。昭和初期には徐々に衰退し、昭和中期以降その製作技術は完全に途絶えていた。しかし,現在は数人の方がその技術を再興致しているそうです。

 
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金唐革紙の現存する建築物
明治から昭和初期の金唐革紙(旧製品)が現存する主な建築物。および、新しく復元製作された金唐革紙(復元品)がはられた建築物。
(※「重要文化財」とあるものは、文化財保護法に基づき、国が指定した重要文化財を指す。)
「入船山記念館(重要文化財)」広島県呉市 (旧製品・復元品)
「旧岩崎家住宅(重要文化財)」東京都台東区 (旧製品・復元品)
「移情閣〔孫文記念館〕(重要文化財)」兵庫県神戸市 (旧製品・復元品)
「旧日本郵船小樽支店(重要文化財)」北海道小樽市 (旧製品・復元品)
「旧林家住宅(重要文化財)」長野県岡谷市 (旧製品・復元品)
「国会議事堂  参議院内閣総務官室・秘書官室」東京都 (旧製品のみ)
「旧第五十九銀行本店本館〔青森銀行記念館〕(重要文化財)」青森県弘前市 (旧製品のみ)
「砺波郷土資料館(市指定文化財)」富山県砺波市(旧製品のみ)

本品をヨーロッパから入手する際に以下の案内が御座いました。
Lederschnitt-Musterbuch (金唐革見本帳)
Kinkarakawa. - Goldlederprägung. - Japanisches Musterbuch mit 72 goldgeprägten und farbigen Ledertafeln . Japan, zweite Hälfte des 19. Jahrhunderts. Brosch. d. Zt. (Blockbuchbindung). 15,5 :x 26,5 cm.                                    
現物が到着して,その肌触り、色、光沢,特に裏面の色合いを見ましても,革製品であることに疑いを持ちませんでしたし,表紙に書いてあります「大高○○」という言葉にそれ程の重きを置きませんでした。今はその様な思い込みを非常に恥ずかしく思っております。それ故、金唐革紙の存在を知っておりましたが,金唐革について色々調べるべく、以下の本を入手致しました。そして弊社HPにご案内致してしまいました。
書誌:
① 染織と生活12号特集印金摺箔金唐革  染織と生活社、 昭和51、 1冊
② 生皮から金唐革まで 革の手工芸 川合京子、 主婦の友社、 昭和49
③金唐革展 徳力彦之助/徳力康乃  徳力彦之助・徳力康乃作品16点 25x25cm
④革壁紀行 金唐革からユーゲントシュティールへ 森下雅代、 泰流社、 昭58、初版 
⑤金唐革(きんからかわ) 福島義郎・粂子作品集 福島粂子、 求龍堂、 2003年、
⑥金唐革 徳力彦之助作品集 徳力彦之助、 ふたば書房、 昭51    図版58点 本文25頁 
⑦金唐革史の研究 徳力彦之助、 思文閣出版、 昭和54年、
⑧金唐革史 井上彦之助、 内田美術書肆、 1933

10月に入りまして,弊社HPをご覧になりましたお客様よりメールを頂き、「大高檀紙見本帳」だから金唐革紙に間違い無いとご指摘を頂きました。しかし,再度現物を見てもその風合いや色つやが紙であることをまだ疑っておりました。しかし「大高檀紙」について調べ始めまして漸く、何となく紙であるかも知れないと思うに至りました。

前述の様に,日本的な工芸品として,ウィーン万国博覧会(1873年)、その後のパリ万国博覧会(1878年)に出品紹介されております。この見本帳は、そこへ出品された金唐革紙見本帳の2冊の内の一冊だと思われます。
・全ての見本革は日本語ラベル付。(小さな紙のラベル)
・個々の見本革サイズは多少差異あり
・最初と最後の見本革には多少傷あり
・背表紙の厚紙は除去、表表紙の厚紙には使用跡あり
・全体的には非常に良い状態.
 
以下が,ネットに出て来ました。「大高檀紙」についての説明です。
■檀 紙[だんし]
奥州みちのく紙というのが始まりで、越前奉書と共に檀紙の歴史は古く、天平18年(750年程前)には正倉院に出典しています。 「源氏物語」の作者”紫式部”の眼に映ったみちのく紙は、「うるはしき紙屋紙」と併記されるほど優れた紙であり、また、”清少納言”も「枕草子」のなかで「白き清げなるみちのく紙」と述べ、美紙と賞賛されてきました。また戦国時代には古文書として多く使われました。秀吉は特にこの紙を好んで用いたと言われ、~刀狩令~、~海賊法度~などの朱印状が残されています。 また、徳川家康の大坂冬の陣を始め、歴代将軍の朱印状・感状などにも大高檀紙が使われており、格式の高い紙として伝えられています。 独特の技法を必要とするこの紙は、「漉屋秘伝之儀二付難申候」ものとして、殆ど改良を加えられることなく継承されてきた保守的な紙です。当地(福井県今立郡)和紙の里会館には、現存最古である正保2年(1645)抄造の大高檀紙が保存されています。 大高・中高・小高(大鷹・中鷹・小鷹)などの名称は、紙の大きさと、皺の高さによって分けられ、いかにも鷹の爪の如く鋭く、且つ細かい皺からそう名付けられたと言われています。並皺の他、伊達皺、菱皺などがあり、檀紙の様々な表情を楽しむ事ができます。今尚、慶弔用紙、また、高僧や伝統諸芸等の許状、免状用紙として数多く使われており、宮内庁内では、命名の儀・納采の儀・歌会始の儀など様々な宮中の行事にも使用されています。  [株式会社山岸和紙店 (越前) 和紙文化辞典]より
http://www.washism.com/washism_menu.html

「大高檀紙と柳井家」
   岡山歴史研究会会員 坪井章
「大高檀紙柳井家」    平成21年5月15日    柳井会刊はじめにより
http://b.okareki.net/wp-content/uploads/2012/09/ootakadannsi-yanaike-2-PDF256KB2.pdf
 

 


 

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