Millard's Review 密勒氏評論報 印刷

Millard's Review     「密勒氏評論報」(影印本)

サイズ:32cm×21Ccm  上製本
上海書店出版社、2013年4月 全98冊
弊社日本販売総代理店 \1,400,000 (税別)

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推薦文

卓南生(トウ ナム セン)
(龍谷大学名誉教授、北京大学客員教授

1917年に創刊され、太平洋戦争期の中断を経て、1953年に停刊するまで32年間、上海で発行された時事評論英字新聞『密勒氏評論報』(最初の英語名は『Millard's  Review』)は中国近現代史、とりわけ中国における米国人のジャーナリズムの歴史において、特別な存在意義を有している。

米国人のT.F.Millardが創刊し、John Bill Powellが引き継ぎ、さらにその息子John William Powellが戦後に復刊した『密勒氏評論報』は、英語名を7回も変え、末期には週刊から月刊になったが、その間、清朝の滅亡、辛亥革命成功後の混乱、抗日戦争、国共内戦、中華人民共和国の成立、朝鮮戦争など、相次ぐ歴史的事件の目撃者となった。同紙は米国人や欧州人の読者だけでなく、英語を理解する少数の中国人エリートたちにも、独自の視点からその中国観と東アジア情報を提供した。

1936年、すでに『The China Weekly Review』と改称していた同紙は、中国共産党指導者・毛沢東を取材したEdgar Snowのレポートを掲載。西側記者として初めて中国共産党根拠地の延安に入り、「Red Star Over China」の真相を伝えたSnowとともに同紙は一躍有名になったが、リベラル紙とみなされることにもなった。

しかし創刊以来、T.F.MillardやJohn Bill Powellは、米国の政策を読者に説き、中国における米国の「国益」と「商益」を守ることを同紙発行の趣旨とした。このことは「短社論」(Editorial Paragraph)などの論評や時事ニュースに具体的に示されている。

英国人の『字林西報(North China Daily News)』が優勢な上海で、米国人が発行する『密勒氏評論報』が市場の一角を占めることができた裏には、極東での勢力伸張を図る米国政府と米国商業界の支持があった。

中国における米英2大国の新聞事業の競合関係史で、米国の「国益」と「商益」を重視する『密勒氏評論報』の基本的立場は、米国人が最初に中国で創刊した中国語新聞、寧波『中外新報』の編集方針と軌を一にしていた。加えて、T.F.MillardはTheodore Roosevelt米大統領と親しい関係にあり、中国国民党の顧問でもあった事実などからみて、『密勒氏評論報』の立ち位置はリベラルというよりも保守であったといえよう。

同紙が中国および極東における日本、ロシア、英国の動向を注視、批判したのは、弱者である中国に対する同情よりも、米国の「国益」に密接に関わっていたからであった。

息子John William Powellの時代に『密勒氏評論報』はリベラル色を強め、中華人民共和国が誕生した1949年から1953年まで発行を続け、中国大陸を最後に撤退した外国人発行の新聞となった。

John William Powellが帰国した米国ではマッカーシズム(赤狩り)が吹き荒れていた。『密勒氏評論報』は朝鮮戦争で中国の捕虜となった米兵の「反米教育」に使われ、Powellは「反米扇動罪」で起訴された。

32年にわたる『密勒氏評論報』の報道と論評から、中国および極東に対する米国人の見方や、当時の東アジアの動向と、それに対する米国の国策の微妙な変化をうかがうことができる。

Millard's review of the Far East.    Millard Pub. 1917-1919
Millard's China national review.    Millard Pub. 1919
Millard's review of the Far East    Millard Pub. 1919-1921
The Weekly review of the Far East : devoted to the economic, political and social development of China and its intercourse with other nations.       Millard Pub. 1921-1922
The Weekly review : devoted to the economic, political and social development of China and its intercourse with other nations.    Millard Pub. 1922-1923
The China weekly review : devoted to the economic, political and social development of China and its intercourse with
other nations.    Millard Pub. 1923-1941.12
(1945年復刊より1953年6月(終刊)までは第2期として刊行予定です。

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上記は2枚とも John William Powell氏

 

 

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Edgar Snow ご夫妻 Edgar Snow氏 E.Snow氏と毛沢東

 

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上記2枚とも晩年のE.Snow氏と宋慶齢女子

 

内容紹介

『Millard's Review』密勒氏評論報 はアメリカ「New York Herald Tribune」のジャーナリストであり、東アジアに駐在していたT・F・Millard が1917年に創刊した英文週刊誌である。1917年6月9日から発行し、1941年12月に休刊となり、そして1945年10月に復刊し、ついに1953年6月には廃刊になった。もともとの名称は「Millard's Review of the Far East」であったが、一時は「The Far East Weekly Review」に改名されていたという。

1918年末にJohn ·Bill·Powellが当の週刊誌の編集を引き継いだ。1923年6月にPowellが一度週刊誌名称を「The China Weekly Review」に変えたが、読者がすでに「密勒氏評論報」という中国語名称に慣れていたと考え、そのまま踏襲することにした。1928年から1941年の間、アメリカの進歩系ジャーナリストEdgar Snowが編集アシスタントを努めていた。1941年12月に太平洋戦争が勃発した後、日本軍隊は上海の外国租借地区を占領し、「密勒氏評論報」を差し押さえた。

だが、戦後の1945年10月に同誌は上海で復刊、Powelの息子であるJohn·William·Powellが総編集と発行人を務めることになった。アメリカの商業界は「密勒氏評論報」を中国国民党支配地区において何も恐れずに意見を言う「自由意志のある出版物」と見なしたという。

1949年5月に上海が解放され、「密勒氏評論報」の発行も再開され、中華人民共和国の成立した後の唯一の中国大陸において発行するアメリカメディアとなった。1950年9月に「密勒氏評論報」は月刊となった。解放初期には、「密勒氏評論報」は海外に中国の最新情報を紹介する重要なルートであったが、1953年6月には政治や経済の原因で終刊した。

「密勒氏評論報」は「外国人と中国人の交流を推し進める。ニューヨークの新聞がアメリカのニュースを報道するように中国にまつわるニュースを新聞の第一面に載せる。」「中国に東アジアの状況を紹介する、同時に欧米の発展を東方の諸国に了解してもらう」を趣旨としたから、アメリカ社会においても中国のインテリ階層においても広く知られた。

読者には中国に居留する外国人もおり、海外読者も沢山いた。そのほかに、中国の政治家やインテリ階層もよく「密勒氏評論報」を読んでいたそうだ。ブルジョアジーの自由性を持つ英語新聞として「密勒氏評論報」は主に中国や東アジアの事情を報道していた。

その内容は政治、経済、文化、社会や国際関係等を含み、多岐にわたったので、20世紀前半における中国社会の発展状況を反映し、中国近代史や東アジア国際関係を研究するのには欠かせない資料である。

上海書店出版社は上海図書館徐家匯蔵書楼の保存している「密勒氏評論報」をもとに影印本を印刷し出版した。1917年6月に創刊してから1942年2月に廃刊するまでの「密勒氏評論報」が全98冊に収められている。
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