淺田榮次博士論文 印刷

シカゴ大学開学第1号博士論文
旧約聖書ゼカリヤ書(第1章-第8章)の原典比較研究
奥泉 栄三郎 編著
淺田榮次 博士論文
THE HEBREW TEXT
OF ZECHARIAH 1-8

旧約聖書ゼカリヤ書(第1章-第8章)の原典比較研究

定価  \7,500円 + 消費税


THE HEBREW TEXT OF ZECHARIAH 1-8
旧約聖書ゼカリヤ書(第1章-第8章)の原典比較研究
B5版 146頁 クロス装上製本 クリーム上質中性紙使用
ISBN4-89253-143-X




Table of Contents [目次]

Preface [序文]
偉大なる先覚者 -わが祖父を想う-
A Great Pioneer - an account of my grandfather
By Hisamichi Yamamura [ 山村 尚道 ]

Part One [第1部]
The Hebrew Text of Zechariah 1-8, compared with the different ancient versions
[ 旧約聖書ゼカリヤ書1-8の原典比較研究 ]
By Eiji Asada  [ 淺田 榮次 ]

Part Two [第2部]
(1) The Old Testament/ Zechariah; complete English text
[ 旧約聖書・ゼカリヤ書 ](英文全文)
(2) The Old Testament/ Zechariah; complete Japanese text
[ 旧約聖書・ゼカリヤ書 ](日本語訳全文)

Part Three [第3部]
Notes and Materials By Eizaburo Okuizumi
[ 解説・解題・資料 / 奥泉 栄三郎 編著 ]
(1) Bibliographical note and annotation  [ 書誌的解題 ]
(2) Biographical sketch            [ 評伝 ]
(3) List of works                [ 業績目録 ]

Appendix [補遺]
A Congratulatory letter on the occasion of the Eiji Asada Memorial Event
[ 故淺田榮次博士記念碑建立除幕式に寄せる祝辞 ]
By Don Michael Randel

List of the Asada Eiji Collection (microfilm)
[ 淺田榮次関係コレクション(マイクロフィルム)内容早見表 ]
By Eizaburo Okuizumi  [ 奥泉 栄三郎 ]



淺田の功績を称する牌(徳山市川端町)


A word from the University of Chicago
〔 シカゴ大学からの推薦のことば 〕

Building a University in Chicago in the 1890s was a bold venture. Chicago then was a rough cattle town that stood on the edge of the Western frontier and was rapidly becoming a burgeoning industrial center. Yet into this harsh world, only recently recovered from a fire that virtually destroyed the entire city, was set a school and into this school came many unique and bold individuals from around the world. One such person was Asada Eiji. As the current Director of the Center for East Asian Studies at the University of Chicago, I take especial pleasure in knowing that the very first dissertation completed and thus the first degree of Doctor of Philosophy offered by the University was granted to Asada in 1893.
The University of Chicago has long prided itself as being the "teacher of teachers" and it is propitious that our very first graduate went on to such an illustrious and important career to teach so many so far from the shores of Lake Michigan. Asada was a man of the modern enlightenment. It is thus all the more intriguing that it was through his work on the Old Testament in ancient Hebrew that he brought his knowledge, his faith and his creative enthusiasms into focus. This slender book is a powerful testimony to the importance of ideas and the vital nature of cross-cultural conversations carried out at the deepest and most subtle levels possible. I celebrate the publication of this work and hope you enjoy its contents as well as its spirit.

May 24, 2002

 

James E. Ketelaar (Professor, Departments of History & East Asian Languages and Civilizations・Director, Center for East Asian Studies, University of Chicago)

<ジェームス・E・ケテラー(シカゴ大学歴史学部教授兼東アジア言語文明学部教授・同大学東アジア研究センター所長)>

 


asadapic


初代教務主任英語学科主任教授淺田榮次

淺田榮次は慶応元(1865)年に周防国毛利徳山(現山口県徳山市)藩士淺田信義の長男として生まれた。明治二十一(1888)年帝国大学理科大学数学科を中退し、神学を学ぶため渡米、明治二十六(1893)年旧約聖書研究に対して、シカゴ大学から同大学初の博士号(PhD)を授与された。
明治三十(1897)年高等商業学校附属外国語学校設立に際して英語科教授に就任、二年後に同校が東京外国語学校として独立するにあたり、教務主任に任ぜられ、校長神田乃武を補佐して同校の教育体制の確立に貢献した。多数の優秀な英語教師を育成し片山寛、古賀十二郎、細江逸記、石田憲次、松本季三志、岩崎民平、鈴木文四郎ら幾多の逸材を世に送り出した。しかし、大正三(1914)年十一月九日、脳溢血のため同校図書室において倒れ、翌十日逝去した。
淺田博士はわが国の英語教育の偉大な先覚者であり、 ドイツ語・フランス語・ギリシア語・ラテン語・古代セム諸語に通暁し、エスペラントの普及にも尽力した。また、日本における旧約聖書研究の先駆者であった。

(東京外国語大学浅田栄次博士顕彰碑・碑文より)



武蔵野に建つ淺田榮次博士顕彰碑


「淺田榮次博士論文」復刻に寄せて

岡田 典夫
(茨城キリスト教大学教授・同学園総長・近代日本思想史)

シカゴ大学の開学第一号博士論文が、日本人淺田栄次によって書かれたことを知る人は、あまり多くはいないだろう。その内容が旧約聖書ゼカリア書のヘブル語原典比較研究であることまで知る人は、さらに少ないと思う。そのことを私に教示してくださったのは、シカゴ大学図書館日本研究資料担当司書である奥泉栄三郎氏だった。1990年に、研修のためシカゴ大学で一年間お世話になった折のことである。
同じ奥泉氏からその事実を知った白鴎大学の渡邊金愛教授が、すでに1987年に日本経済新聞に紹介記事を書かれ、1992年に淺田に関する論文を公表されていることを知るに及んで、淺田の名は私にとってよリ親しいものとなった。以来、淺田の東京外国語学校(現・東京外国語大学)教授として、日本の英学、英語教育を導いた偉大な先駆者であった面が、外語大を中心に評価・顕彰されてきたのは、正当なことであろう。しかし、そうなると、「第一号博士論文」の中身についても知りたくなるのは、自然なことである。
このたび、奥泉氏の努力によって、淺田栄次の原点ともいえる旧約研究の博士論文が復刻されることは、たいへん喜ばしい。これによって、日本における旧約学の先駆者としての面を加えた淺田の全体像が、より明瞭に浮かび上がってくることだろう。クリスチャンとしての淺田を知る上でも、得がたい資料であるにちがいない。
さらに本書の後半部には、奥泉氏による「書誌的解題」「評伝」「主要業績目録」とともに、マイクロフィルム版の「淺田栄次関係コレクション内容早見表」が付されている。プランゲ・コレクションで知られる書誌の第一人者、奥泉氏によるこれらの資料は、今後淺田栄次研究を志す者にとって、またとない道しるべとなるだろう。



.