梶田半古口絵集 印刷
梶田半古口絵集
『薄氷遺稿』についても
Kuchi-e  Hanga by Kajita Hanko
The Posthumous Writings of Kitada Usurai
山田奈々子 著
192頁  [カラーページ 88頁・カラー折り込み 1枚]
6,000円 (税別)   ISBN978-4-89253-560-4    口絵集②    2014年11月1日発行

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Thumbnail image Kajita Hanko (1870-1917) was a unique Kuchi-e Hanga artist in the golden age of Kuchi-e. He introduced a fresh and richly emotional humanity to the Kuchi-e world. Ozaki Koyo, the leader of a literary group, arranged a meeting between Hanko and Kitada Usurai (1878-1900), a female author. They fell in love and married. Unfortunately their marriage lasted only four years. A year after her death, Kajita collected and published her writings as The Posthumous Writings of Kitada Usurai.
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はじめに
山田奈々子  
本画家としても、挿絵・口絵画家としても存命中は高い知名度を保っていた梶田半古(1870‐1917)のことは一世紀たった今、完全に忘れ去られてしまっている。
梶田半古という名前を目にすることが出来るのは、昭和時代の日本画壇の重鎮、小林古径・前田青邨・奥村土牛らの作品が展覧会に出品される時、彼らの師として名前が表記されているに過ぎない。
口絵という言葉について逐一説明することも必要になってしまったこの頃、いかに口絵が明治時代に生まれた日本近代文学の作品にとっても、読者にとっても必要不可欠なものであったのかを述べる。
小説に登場する人物を紹介するのが目的である口絵において、人物画を描くことでは右に出る画家のいなかった存在だった梶田半古が口絵の発展、隆盛に大きく貢献し、活躍したことを述べるものである。
半古は従来の口絵の形式を踏襲するということにあき足らず、新風を吹き込み、いわゆるハイカラさん時代の先達として、十分な美意識、情緒感を持ち、新しい構図をふんだんに取り入れた新しい口絵を生み出したことも明記したいと思う。
近代文学に口絵を描く画家には、古今東西を問わず文学の知識はもとより、文学的素質を持つことが要求される。元々文学青年であった半古がその条件をみたしていたことはいうまでもないが、その文学熱が高じて、文壇デビューを果たしたばかりの才色兼備の女流作家・北田薄氷(1876‐1900)を見初め、相思相愛となり結婚した。
不幸にしてその結婚生活はわずか四年で薄氷の他界という結末を迎えたが、その一年後、薄氷の遺作をまとめ、半古自身が編集して一流の出版社である春陽堂から品の良い装幀で、隅々まで高級趣味の行き届いた遺稿集を出版した。
『薄氷遺稿』という希少本には富岡永洗・寺崎広業・水野年方・鈴木華邨という大物口絵画家が友情的に口絵を描いている。それらも非常に珍しいことであるので取り上げて紹介する。
忘れられている梶田半古が、ハイカラさん時代を作った元祖であることを再認識させ、見る者にノスタルジアの念を起させざるを得ないそのセンス。さらに、樋口一葉にも影響を与えたにもかかわらず、埋もれてしまって名前の読み方さえ忘れられている北田薄氷の作家歴も掘り起こして今一度日の目に当てること。懐古趣味かもしれないが、画壇上、文壇上において必要なものと考える。

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折込 「菊のかほり」
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掲載作品
単行本
『三人妻』尾崎紅葉 春陽堂
『海底の錨』江見水蔭 嵩山堂
『大阪城』村上浪六 嵩山堂
『武者魂』山田美妙 嵩山堂
『飛乗太郎』村井弦斎 春陽堂
『芙蓉峰』村井弦斎 春陽堂
『日の出島 高砂の巻 村井弦斎 春陽堂
『鎧の風』村井弦斎 春陽堂
『湯島詣』泉鏡花 春陽堂
『武兄弟』小栗風葉 嵩山堂
『赤蜻蛉』村上浪六 嵩山堂
『松が浦島』村井弦斎 春陽堂
『みだれ焼』福地桜痴 春陽堂
『夢の夢』柳川春葉 春陽堂
『雲のゆくへ』徳田秋声 春陽堂
『心中くらべ』小栗風葉 春陽堂
『白無垢鉄火』小栗風葉 駸々堂
『ひだり縄』小杉天外 春陽堂
『檜舞台』前田曙山 春陽堂
『失恋境』山岸荷葉 春陽堂
『二人孤児』小杉天外 金港堂
『魔風恋風』小杉天外 春陽堂
『後の恋』徳田秋声 春陽堂
『士官の娘』徳田秋声 集成堂
『藻志保艸』細川花紅 流水野書院
『青春』春 小栗風葉 春陽堂
『青春』夏 小栗風葉 春陽堂
『青春』秋 小栗風葉 春陽堂
『巌窟王』黒岩涙香 扶桑堂
『巌窟王』巻の二 黒岩涙香 扶桑堂
『巌窟王』巻の三 黒岩涙香 扶桑堂
『巌窟王』巻の四 黒岩涙香 扶桑堂
『噫無情』前後 黒岩涙香 扶桑堂
『天うつ浪』前 幸田露伴 春陽堂
『管絃』小林愛雄 彩雲閣
『後の世』前 柳川春葉 春陽堂
『後の世』後 柳川春葉 春陽堂
『焔』前 徳田秋声 今古堂
『わたり鳥』徳田秋声 卍倶楽部
『凋落』徳田秋声 隆文館
『画事入門』梶田半古 博文館
『若狭物語』伊原青々園 春陽堂
『椿説 花あやめ』黒岩涙香 扶桑堂
『十二人集』篠山吟葉 博文館
『郷土椰子の話』黒岩涙香 扶桑堂
『田園生活』斉藤弔花 如山堂
『文藝倶楽部』
「水雷士官」三宅青軒 第1巻8編
「唐櫃山」江見水蔭 第6巻9編
「流水記」江見水蔭 第6巻15編
「相撲の濫觴」第7巻2号
「紅蓮白蓮」遅塚麗水 第7巻8号
「新装の美人」第7巻10号
「若武者」第7巻14号
「仙錦亭」遅塚麗水 第7巻15号
「美人詠花」第9巻3号
「杜鵑一声」第9巻8号
「王夫人」第10巻2号
「歓迎」第10巻10号
「無題」第11巻2号
「菊のかをり」第11巻13号
「懸想文」第12巻2号
「うたゝね」第12巻9号
「実る秋」第12巻15号
「暗香疎影」第13巻3号
「胡蝶」第13巻8号
「紅葉」第13巻13号
「梅」第14巻3号
「ゆあみ」第14巻8号
「黒木売」第14巻14号
「羅浮仙」第15巻2号
「額田女王」第15巻9号
「早春」第16巻2号
「八ツ橋」第17巻7号
「削り掛け」第18巻2号
「新春」第19巻2号
『新小説』
「馬内侍」11巻1号
「高野聖」泉鏡花 5巻2号
「下士官」5巻7号
「人えらみ」柳川春葉 7巻6号
「錦木」柳川春葉 6巻12号
「未亡人」広津柳浪 8巻11号
「泊客」柳川春葉 8巻1号
「ちゝこ草」後藤宙外 9巻6号
「秋草」9巻9号
「わか紫」泉鏡花 10巻1号
「うたかた人」後藤宙外 10巻5号
「名越川」小栗風葉 11巻4号
「其の女」薄田泣菫 14巻8号
「追難」11巻12号
「胡蝶の舞」13巻4号
その他
『ムラサキ』6号/2巻4号/5巻11号/6巻9号/6巻10号/6巻11号/6巻12号/7巻6号/5巻6号
『画事入門』(石版口絵6枚)


 

山田奈々子著作 一覧

『武内桂舟口絵集』
Kuchi-e Hanga by Takeuchi Keishū
菊判・224ページ ISBN978-4-89253-520-8 ・6,000円・税別
[口絵作家作品集 その1]

『美人画口絵歳時記』
菊版 312頁 Board装製本・カバー付         
ISBN978-4-89253-397-6  定価 ¥7,200 + 消費税
口絵画家住所地図(文芸倶楽部編)付

『口絵名作物語集』
Masterpieces: Collection of Kuchi-e Prints and Their Stories
菊版 323頁 Board装製本・カバー付     
ISBN 4-89253-322-X  定価 ¥6,000 + 消費税

『木版口絵総覧』
明治・大正期の文学作品を中心として
SURVEY of WOODBLOCK KUCHI-E PRINTS
カラーグラビア 7枚4頁 (ノンコートタイプ 白色 中性紙使用)
本文・英文梗概・あとがき等 253頁
1,045枚口絵画像一覧 オールカラー140頁
菊版  ISBN 4-89253-300-9   定価 ¥8,500 +消費税

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木版口絵オリジナル作品
-145点と貼込帖2種-

 


 

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