| スリナム産昆虫変態図譜 |
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There are no translations available. マリア・ジビーラ・メーリアン著 「スリナム産昆虫変態図譜」 アムステルダム1719年刊 手彩色図版 72枚 フォリオ版 ヴェラム特装本 ¥35,000,000〔税込〕
タイトルの英訳:
本の状態に就いての説明: F. Ottens による手彩色版画の口絵,そのほかに版画によるタイトルの飾り模様,当時のアムステルダム市長 Balthasar Scott の紋章が手彩色で彩られている献呈のページ,72点の手彩色版画のプレートなどが収められています。彩色は Maria Sibylla Merian とその娘 Johanna と Dorothea によるものと考えられます。当代のヴェラム装丁で、背は8段帯装丁,仕切られた部分にはエンボス加工した飾り模様があります。表紙はふちや唐草模様が金箔で飾られています。また,表の表紙は赤いモロッコ装で紋章の飾り模様がついています。 解説: 本書は没後の1719年に発行されたもので,1705年に刊行されたものより12枚プレートが多く収録されています。スリナムの熱帯に生きる昆虫の生態を,エキゾチックな花々や果物など周辺の環境と共に描いています。昆虫や花々について記されたものとしては最も美しい書物の一つといえます。状態もきわめて良好です。 本書のプレートはカウンタープルーフという手法を用いて,銅版画と同一の内容でありながら,印刷時のプレートの跡がつかない仕組みになっています。これにより水彩画のような味わいを持たせ,原画とほぼ同一の雰囲気に仕上がっています。このカウンタープルーフ版は,富裕層に向けて作成され丁寧に扱われていたため,現在でもすばらしい状態を保っています。存在が確認されているカウンタープルーフ版はすべてMerianとその娘たちによる手彩色が施されています。娘の Wettengl によるとこれらカウンタープルーフ版は非売品だったということです。ニュールンベルグの図書館にもこの非売品のカウンタープルーフ版が収蔵されていますが,それよりもこの商品のほうが状態はすぐれています。青虫の姿とともに蝶になった姿を,特に蝶に好まれるものを中心にして熱帯の花々とともに描いています。Merian (1647-1717) の死後1717年に Oosterwyk は残された在庫品とプレートを買い取りました。このプレートのうち娘の Johanna によるものが10枚,Albert Seba によるものが2枚追加され,この商品になりました。 表見返しの端の部分に旧蔵者によるサインがあります。ごく小さな個人のブックプレートが裏見返しにあります。表紙に若干のスレがあります。ごくわずかなシミが散見されますが,それ以外は非常に良好な状態を保っています。過去38年間,このカウンタープルーフ版は市場に出ておりません。 メーリアンの生涯と業績: マリア・ジビーラ・メーリアン(Anna Maria Sibylla Merian、1647年4月2日-1717年1月13日)はドイツ生まれの、植物や昆虫などを詳細に描いたイラストで知られる画家であり自然科学者でもあります。芸術家としての名声に加え、蝶や蛾の変態を緻密な観察眼と描写力で描いた彼女は、昆虫学に多大な貢献をもたらした人物として高く評価されています。また彼女は、その業績をほぼ独力で成し遂げた点から、自立した女性の代表例とみなされることもあります。 植物画家としてのキャリアを始め、1600年代後半に3冊の彫版を出版した彼女は、やがてその視点に生物を加え、昆虫の変態が進む経過を明らかにしました。当時、泥から生まれる悪魔の動物という悪評を受けていた昆虫に知的好奇心を向けることは稀であり、一部の学者が少々気づく程度でしかなく一般には全く 未知であったその生態に着目した彼女の着眼点は革新的なものでした。 彼女が観察し、描き纏めた186種類にものぼる昆虫のライフサイクルはそれまでの常識を覆し、ドイツ語で出版された『ヨーロッパ産鱗翅類:その変態と食草』は貴族など上流階級を中心に広く知れ渡りました。しかしながら、公式な科学論文はラテン語で執筆されるのが常であり、彼女の業績が科学者達に正当に評価されることはあまりありませんでした。 彼女は、実際に観察することで洞察や理解を深め、新たな発見ももたらしました。 例えば、イモムシが蝶になるまでの各過程において、食物とする植物の種類は決まっており、そのために卵が 産み付けられる場所も限定的になる事実を見極めました。自然科学研究においてこのような観察手法を重視する学者は当時殆どおらず、彼女はこの点でもパイオ ニアのひとりと言えます。彼女の版図は、この植物と昆虫との関係、昆虫の経時的成長段階のふたつの要素を1枚にまとめて描写したことでも画期的なものでした。 スリナムでの観察と研究は、高齢な女性の身である彼女の特筆すべき努力によって成されました。通常ならば、未開の植民地で行う昆虫採集は定住するなりして長期間をかけて行うものでしたが、彼女は周囲から浴びせられる懐疑の視線にも動じず、驚くべきスピードで新種の昆虫や植物類の発見を次々と成し遂げたのです。さらに、 収集したサンプルやスケッチなどを、綿密に検討を重ねて分類し、詳細な説明を加えました。これによると、1分類として蛹の有無、昼に活動する蝶、夜に活動する 蛾に区分し、さらに2分類として蛆やワーム、蠅や蜂をそれぞれ区分しています。彼女は、発見した動植物に新たに名前をつける際、先住民族の呼び方を尊重して多く用いました。これらの分類や名称は現代に引き継がれています。また、トタテグモ亜目(英語:mygalomorphae、ドイツ語:Vogelspinnenartige)の名称は、彼女のスケッチから作られた彫版にある「鳥を捕らえた蜘蛛」を語源としているのではと推理されています。ただし、実際にこの蜘蛛が鳥を捕食するかどうかは確認されておりません。 彼女の描いた植物・蛇・蜘蛛・イグアナや熱帯のカブトムシなどの絵は美術として高く評価されました。『スリナム産昆虫変態図譜』は貴族や富豪から、ロシア皇帝ピョートル1世も購入しました。ナポレオンやゲーテも絶賛したと言われるこの本は、今日でも世界中の好事家にとって憧れの的となっています。また、『カエルの自然誌(アームチェア・アクアリウム)』を著した生物画家レーゼル・フォン・ローゼンホフにも多大な影響を与えました。 彼女の版図はベルリン王立磁器製陶所、マイセン、ヘキスト、リヒターポーセレンなどが製作する陶磁器のモチーフとしてもよく採用されています。マイセンでは、最高の絵付け師が製作した最上級の花絵を示すFF.blumemalerai(FFブルーメマーレライ、略してFFブルーメ)の称号がつけられた高級品が多くあります。20世紀後半には、彼女の業績は広く評価されるようになりました。特に生まれたドイツでは高く、ユーロに統一される前のドイツ通貨では彼女の肖像が500ドイツマルク紙幣〔下掲〕に用いられ、1987年9月17日には0.4ドイツマルク切手にも使われました。彼女の名を冠した学校も多くあります。2005年にはドイツのヴァルネミュンデから出航した海洋調査船に彼女の名「RV Maria S. Merian」がつけらました。 著作: 1675年 Neues Blumenbuch. Volume 1. 1677年 Neues Blumenbuch. Volume 2. 1677年 Neues Blumenbuch. Volume 3. 1679年 ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草(Der Raupen wunderbare Verwandlung und sonderbare Blumennahrung) 1705年 スリナム産昆虫変態図譜(Metamorphosis insectorum Surinamensium.)
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