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聾唖教育関係稀覯書 ―新入庫―
1. 近世における聾唖者のための読唇・発声に関する論文集
Curious early treatise teaching deaf-mutes to lip-read and to speak
ヘルモント 「ヘブライ・アルファベットについての概説」
Sulzbach 1667年刊 8x13.5cm. 当代ヴェラム装丁 \660,000〔税込〕
HELMONT, Franciscus Mercurius, Baron van.
Alphabeti verè Naturalis Hebraici brevissima delineatio. Quae simul methodum suppeditat, juxta quam qui surdi nati sunt sic informari possunt, ut non alios saltem loquentes intelligant, sed & ipsi ad sermonis usum perveniant.
Sulzbach, Abraham Lichtenthaler, 1656 (=1667). 12mo. Contemporary vellum with title in ink on spine. With engraved frontispiece by J. Franck and 36 engraved plates, illustrating all possible positions of the vocal chords and the lips of a human head when speaking, by means of which deaf-mutes not only can learn to speak, but also to read other people's lips. (36), 108 pp.
Ref: Werner, Geschichte des Taubstummenproblemes bis ins 17. Jahrhundert, p. 221; VD 17, 12:153272L; Dunnhaupt (2. Aufl.), S. 2375.1; Wellcome III, p. 241; Waller 19735; Ferguson I, 379-380; Graesse III, 237.
聾唖者向けに「ヘブライ・アルファベットについての概説」として初めて刊行されたもので,ラテン語で書かれたものとしては唯一のものです。ドイツ語で書かれたものが同じ年に同じ発行所から刊行されています。
著者ヘルモント(1618-1699)はオランダの自然哲学者で、物理的および精神的な単位を求める一元論的な宇宙観を説き、ライブニッツにも影響を与えた人です(岩波「西洋人名辞典」より)。
著名な医学者であり科学者であったJean Baptiste Helmontの息子にあたります。父と同じ様に医学の道を進みましたが,錬金術の研究も同じ様に進めていました。魂の転生、世界の救済、賢者の石の存在を信じていて,Knorr de Rosenroth との共編Kabbala denudataで知られております。
彼は、ヘブライ語のアルファベットはその発音のための声帯の動きと一致しているため,人類にとって最も適切で自然な言語だと考えていました。そのため,このテキストにヘブライ語を採用しています。ヘブライ語の各アルファベットは版画プレートになっています。
口絵の版画と、声帯と口の動きが描かれた36枚の版画プレートはJ. Franckによるもの。説明はラテン語で記載されています。生まれつきの聾唖者もヘブライ語のアルファベットは一目見ただけで発音できる筈だと主張しています。2007年に注釈版がライデンで刊行されています。
遊び紙に旧蔵者のサインが書き込まれています。タイトルページの刊行年が1657年にXのローマ数字がスタンプされて1667となっていますが、口絵と奥付は1667年と正確に記載されています。
2. イタリアの慈善家・聾唖学校の創立者アサロッティによる
聾唖者向けカトリック教義図解手稿
Richly illustrated manuscript explaining Catholic Doctrine to deaf-mutes
アサロッティ「カトリック教義」イタリア語による手稿本 ジェノヴァ(1815-20頃刊) 117葉 当代背カーフ装丁
(ASSAROTTI, Ottavio Giovanno Battista).
Dottrina Christiana.- MANUSCRIPT IN ITALIAN.
(Genoa, ca. 1815-20). 8vo. (lvs. 233 x 170 mm). Contemporary half calf, spine gilt with with title lettered in gold. ON With 117 (out of 118) full-page coloured drawings within borders consisting of two lines (206 x 138 mm) illustrating lively the Christian Doctrine, on staunch paper. One leaf with written introduction (one leaf missing), 117 (numbered 1-95, 97-118) lvs. with drawings, and 3 blank lvs.
¥3,250,000 〔税込〕
Padre Ottavio Giovanni Battista Assarotti (1753-1829) は、イタリアの慈善家でイタリアに最初の聾唖者のための学校を創設した人。1801年にパリでAbbe Sicardの聾唖者教育のことを知りイタリアで同様の教育の可能性を種々試みた。1805年にはナポレオンから各種の支援も受ける。
1812年には、仲間とともに聾唖者のための学校を創設し、1829年に没する迄事業の継続をした。
ここで使われている独特のイタリア語字体はアサロッティによって考案されたとされているが、本手稿が彼の手によったものかは定かではない。しかし彼のデザインにより協同者の誰かが制作したものと思われる。キリスト教の難解な教義を聾唖者に教えることは非常に困難なことと序文にもあり、それを理解し易い様に図解したものと考えられる。
水彩画は素朴で一般的な物だがキリスト教の教義にある事象を非常に精細に描いている。
保存状態は非常に良好。
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