宗教改革と大航海時代におけるキリスト教共同体 印刷
宗教改革と大航海時代におけるキリスト教共同体
フランシスコ・スアレスの政治思想

小田英著

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 9月13日発売!

 

 

 近世 という時代は 普遍教会 すなわち キリスト教共同体 の
 防衛 と 再建 および 拡大 の時代である。(本書より)

 大航海時代と、宗教改革が引き起こした熾烈な論争。
 カトリックの論客フランシスコ・スアレスの思想を軸に、
 当時の言説からヨーロッパ近世「キリスト教共同体の
 防衛と再建および拡大の時代」を解き明かす。
 「第一部:大航海時代におけるキリスト教共同体の拡大」で、
 インディアス問題と、日本を含む東アジア布教をめぐる言説を考察し、
 「第二部:宗教改革におけるキリスト教共同体の防衛と再建」で、
 ヴェネチアに下された聖務停止令、イングランドの忠誠宣
 誓が引き起こした論争を分析し、近世を形成する思想的礎を明かにする。

A5判 上製 680頁
本体5000円+税
ISBN978-4-89253-612-0
小田英 (おだ あきら)
1984年東京都生まれ。2007年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒。
2015年、早稲田大学政治学研究科博士課程単位取得退学。
2014~17年、早稲田大学政治経済学術院助手。
2017年、早稲田大学政治学研究科で博士号(政治学)取得。

推薦文  川出良枝(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

 宗教改革と世界大の海洋進出によってヨーロッパが大きく変容をとげる中、カトリック教会はいたずらに過去の栄光を追い求めていたわけではない。むしろ、新たな時代にふさわしい社会秩序を構築するために獅子奮迅ともいえる努力を払っていた。その中心で燦然と輝いていたのがスペイン生まれのイエズス会士フランシスコ・スアレスであった。スアレスおよび教皇主義者たちの政治思想を包括的に分析する本書は、近世西洋政治思想史に関心のある読者にとって必読の一書である。
 スアレスの政治思想はおのずから二正面作戦の形をとった。一方では、欧州内でプロテスタント教会や独立性を高める国家と対抗するための精緻な理論が求められ、他方では、アメリカ大陸のみならず、日本を含む東アジアにまで広がった異教徒への布教活動への指針が求められた。著者は、この壮大な二正面作戦の全容をスアレスの手稿史料を含む厖大な文献を読み解くことでつぶさに描き出す。本書の出現によって、宗教改革以降ローマ・カトリック陣営は歴史の後景に退いたとみるような安易な近世理解には、根本的な見直しが迫られるであろう。


目次 (抄)

序論  10

第一部:大航海時代におけるキリスト教共同体の拡大
  第一部の始まり  54
  第一章 中世の両権論とスアレス理論  61
   第一節 中世の両権論  61
   第二節 スアレスの両権論の基本型  89

  第二章 インディアス問題とスアレス ― 1580年代におけるスアレスの講義ノート ―  98
   第一節 アレクサンデル6世の贈与大教書から1512年ブルゴス会議まで 100
   第二節 ビトリアやソトとその先行者  108
   第三節 セプルベダとラスカサス  124
   第四節 バリャドリード論争後  141
   第五節 スアレスの1580年代における理論  149
   第二章のまとめと意義  173

  第三章 東アジア布教とスアレス ― 1594年の書簡から死後出版まで ―  176
   第一節 16世紀後半から17世紀初頭までの東アジア布教の展開 ― 日本の場合 ―  179
   第二節 東アジア布教におけるスアレスの位置付けと影響力  182
   第三節 東アジア布教によるスアレスの布教論の発展 ― チナ事業 ―   189
   第四節 東アジア布教によるスアレスの布教論の発展 ― 日本の迫害 ―  210
   第三章のまとめ  276
  第一部のまとめと意義  279

第二部:宗教改革におけるキリスト教共同体の防衛と再建
  第二部の始まり  €282
  第四章 聖務停止令論争とスアレス
    ― 1607年の『ヴェネチアが侵害した聖職者の免除について』 ―  285
   第一節 聖務停止令の歴史的背景  286
   第二節 聖務停止令論争の思想的背景と大枠   290
   第三節 聖務停止令論争の展開  306
   第四節 スアレス  346
   第四章のまとめと意義  €382

  第五章 忠誠宣誓論争とスアレス ―『信仰の防衛』を中心に ―  387
   第一節 忠誠宣誓論争の歴史的および思想的背景と大枠  387
   第二節 忠誠宣誓論争の展開   401
   第三節 スアレス  454

  第六章 宗教改革と大航海時代の思想的な影響関係― 忠誠宣誓論争の下で ―  493
   第一節 新世界等に関する情報の流通  494
   第二節 地理的ないし空間的普遍性というカトリック性の基準  501
   第三節 異教君主とキリスト教君主に対する教皇権  509

結論  541
本研究の意義(1)― スアレス研究の観点 ―  541
本研究の意義(2)― 近世両権論研究の観点 ―  545
最終的結論と意義および今後の課題  548

補論 17世紀初頭におけるスアレス批判の様相   554
第一節 スペインとローマの黒い伝説  554
第二節 スアレスの『信仰の防衛』に対する批判と弁護  562

あとがき  599
参考文献  602
事項索引  636
人名索引  656

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